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警備会社の安全衛生

 警備先に派遣されることで勤務を行う警備員。各地に派遣されることからその安全衛生の対策は非常に難しい課題です。警備員の労災事故事例は「警備員の死亡労災事故(重大事故)事例」へ

 労働安全衛生法等(以下、安衛法等)の法律上の義務等の内容について説明を行うことはきりがないので、多くの警備会社の安全衛生担当者が困ることに着眼して紹介すると次の通りとなります。

<警備会社の安全衛生に関する実態>
 安全衛生に関して、その費用を含めた会社の資力をどの程度支出するかは、各社のよっておおきな差があります。
このため一概に紹介できるものでは、多くの警備会社で対応に不備や、どうすべき悩んでいる内容には次のことがあると思われます。

・健康診断の問題(安衛法第66条、安衛則第43条、安衛則44条、安衛則13条2項ヌ)
>雇入時の健康診断
 警備会社が新たに警備員を雇い入れた時には、警備業法で制限を行う欠格事由の確認を行うため専用の診断書の作成を行います。
 しかし、これは安衛法等に基づく健康診断の要件を満たしていないため、別に行う必要があります。なお、その費用負担については安衛法では定めていません。
 検査項目
 問診調査 既往歴および業務歴の調査
 診  察 自覚症状および他覚症状の有無
 計  測 身長、体重、視力、(色覚),聴力
 X線検査 胸部エックス線検査
 血圧測定
 尿 検査 尿中の糖および蛋白の有無の検査
 貧血検査 赤血球数、血色素量
 肝機能検査 GOT、GPT、γ ー GTP
 血中脂質 LDLコレステロール
HDLコレステロール(HDL-TC)
トリグリセライド(TG)
 血糖検査 空腹時血糖
 心電図検査
 腹囲

>定期健診(安衛則44条)
 警備員についても、他の業種と同様に年1回以上の健康診断の実施が義務付けがされています。
 しかし、夜警や現金輸送業務等従事させる警備業務内容(安衛側の特定業務に該当)によっては、当該業務への配置替えの際及び6ヶ月以内ごとに1回、定期的に、定期健康診断と同じ項目の健康診断を行わなければなりません。
 定期健診などの便利な制度等は、「健康診断 助成金」へ

安衛法の特定業務一覧表(安衛則13条第1項第2号)
 イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
 ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
 ハ ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務
 ニ 土石、獣毛等のじんあいまたは粉末を著しく飛散する場所における業務
 ホ 異常気圧下における業務
 ヘ さく岩機、鋲打機等の使用によって、身体に著しい振動を与える業務
 ト 重量物の取り扱い等重激な業務
 チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
 リ 坑内における業務
 ヌ 深夜業を含む業務
 ル 水銀、砒素、黄リン、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、苛性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物質を取り扱う業務
 ヲ 鉛、水銀、クロム、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリン、その他これらに準ずる有害物のガス、蒸気または粉じんを発散する場所における業務
 ワ 病原体によって汚染のおそれが著しい業務
 カ その他厚生労働大臣が定める業務

・安全衛生用品の使用義務
 警備員が装備する護身用具、各種装備品は主に防犯等の警備業務を完遂するために使用するために使用しています。
しかし、警備業務の内容や実施場所によっては安衛法等の義務付けがあるほか、警備業務の内容によっては具体的な規則がなくとも重大な事故が発生した時には安全配慮義務としてその使用の有無を問われる可能性があります。また、労働者(警備員)も安全衛生のための用具を使用しなければなりません。

>安衛法等から見た着用義務
・ヘルメット(保護帽)
 建設現場における交通誘導警備員、同じく施設警備員。
 道路におけるアスファルト等の掘削舗装工事の交通誘導警備員。
 製鉄所や鉄鋼関係の工場の施設警備員。
 建設現場や製鉄所や鉄鋼関係の工場に出動する機械警備出動対応警備員。

・安全靴
 建設現場における交通誘導警備員、同じく施設警備員。
 道路におけるアスファルト等の掘削舗装工事の交通誘導警備員。
 現金輸送車(重量物を取り扱う運送事業として)による貴重品運搬警備員。
 製鉄所や鉄鋼関係の工場に出動する機械警備出動対応警備員。

>安全配慮義務が問われる恐れのある着用義務
・防弾(防刃)チョッキ
 危険がある程度予見される現場に防犯のため出動する機械警備出動対応警備員。
 多額の現金等を輸送し、危険がある程度の予見される現金輸送業務に従事する警備員。


※安全配慮義務違反について
 安全配慮義務は、周囲の状況や過去の事故事例等をもとに、事故による被害が予見できたかが争点となります。
細かい内容は、各警備業務より異なるため、地域性や業務実態。技術面等を考慮して総合的に判断されると思われます。

・安全衛生管理体制の問題
 警備員は、その殆どが警備会社の外の契約先施設などで業務に当ります。このため、現場での実態管理を行いにくいだけでなく、安全衛生に関する義務も施設管理者から離れ、その管理を行いにくい業務です。

>建築現場等における安全管理体制の問題
 大きな建設現場では、安衛法により大手ゼネコン等の元請業者が下請業者含めた安全衛生体制を確立してその業務をすすめます。
 しかし、警備会社(警備員)は施工業者ではないため、法律上この安全衛生管理体制に含まれません。
 また、施工業者ではないことから施工内容がわからず、搬入車両等の工事車両の動きなど細かい部分で打合せが不足する傾向にあります。


>派遣先警備現場における安全管理体制の問題
 設備の不備等に代表される施設の安全管理は、施設管理側にその責任があるため警備会社(員)が直接コントロールすることができません。
 勤務にあたる警備員は日頃から危険個所を認識し、警備先の施設管理者に申し入れを行うとともに、警備会社にも報告し、警備会社として契約先に申し入れを行う必要があります。

※グリーンファイルに代表させる安全衛生に関する手続きについて、その多くは元請担当者が施工下請と警備会社を区別せず一律に提出を求めていたし、元請業者の自主安全衛生規則に基づき提出を義務付けるものです。

健康診断 助成金

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